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【2026年最新】興行ビザ審査は厳しい?上陸基準1号イ・ロ・ハ・2号・3号を行政書士が解説

外国人の芸能人、アーティスト、スポーツ選手を日本へ招聘する企業担当者、プロモーター、イベント会社、制作会社、レーベル、スポーツ団体、芸能プロダクション向けに、興行ビザ(在留資格「興行」)について分かりやすく解説します。

興行ビザは、「審査が厳しい」と言われることがありますが、その理由は、活動内容に応じて上陸許可基準1号イ・ロ・ハ、2号、3号のいずれに該当するかを判断し、それぞれ異なる許可要件を満たしていることを客観的な資料で立証する必要があるためです。

本記事では、興行ビザの制度概要から、各基準の違い、入管が重視する審査ポイントまで、行政書士が実務の視点から解説します。

目次

興行ビザ審査はなぜ厳しいと言われるのか?

興行ビザ(在留資格「興行」)は、外国人の芸能人やスポーツ選手などが日本で公演、イベント、スポーツ大会、映画・CM撮影等の活動を行うための就労系在留資格です。

興行ビザの審査が「厳しい」と言われる理由は、活動内容に応じて上陸許可基準1号イ・ロ・ハ、2号、3号のいずれに該当するかを判断し、それぞれ異なる許可要件を満たしていることを、契約書や企画書、施設資料などの客観的な資料により立証する必要があるためです。

例えば、同じアーティストであっても、ライブやコンサートなど観客を入れて公演を行う場合と、CMや映画の撮影を行う場合では適用される区分が異なります。また、契約内容、報酬、活動場所、施設、活動実績、受入機関の体制などについても、区分ごとに確認される事項が異なります。

そのため、活動内容に適した区分を選択し、提出資料全体の整合性を確保することが、興行ビザ許可の重要なポイントとなります。

興行ビザとは?

興行ビザとは、在留資格「興行」のことで、外国人が日本において次の活動を行うための就労系在留資格です。

  • 演劇・演芸・歌謡・舞踊・演奏等の興行活動
  • スポーツ等の興行活動
  • 興行に係る活動以外の芸能活動(商品・事業の宣伝、放送番組・映画の制作、商業用写真の撮影、商業用の録音・録画など)

一般には「興行ビザ」と呼ばれるほか、「エンタメビザ」「タレントビザ」「芸能ビザ」といった名称で紹介されることもありますが、法令上の在留資格名は「興行」です。

代表的な活動として、外国人俳優・歌手・音楽家・ダンサーの舞台やコンサート、海外アーティストやK-POPアイドルのライブ、モデルのファッションショー出演、プロスポーツ選手の大会出場、テレビ番組・映画・CM・ミュージックビデオの撮影・収録などが挙げられます。

在留期間は、3年、1年、6か月、3か月又は30日のいずれかで、活動内容や契約期間などを踏まえて個別に決定されます。

なお、在留資格「興行」は申請すれば自動的に許可されるものではありません。入管審査では、在留資格該当性(在留資格「興行」に該当する活動であるか)と、上陸許可基準適合性(法令上の許可基準を満たしているか)の双方について審査が行われます。

興行ビザの申請では、契約書、企画書、出演実績、施設資料などを提出し、活動内容や契約内容が在留資格「興行」の要件や上陸許可基準を満たしていることを、客観的な資料により立証する必要があります。

興行ビザの区分(1号イ・ロ・ハ・2号・3号)

興行ビザ(在留資格「興行」)は、活動内容に応じて上陸許可基準1号イ・ロ・ハ、2号、3号に区分されています。

どの区分に該当するかによって、許可要件や提出資料、立証すべき事項が異なるため、活動内容を正しく整理した上で申請することが重要です。

令和5年8月の法改正により上陸許可基準が見直され、現在は次の区分となっています。なお、インターネット上では現在でも「上陸許可基準1号~4号」と説明しているサイトが見受けられますが、現在は4号区分は廃止されています。

在留資格「興行」の活動区分(在留資格該当性)上陸許可基準一般的な呼称
演劇・演芸・歌謡・舞踊・演奏等の興行活動1号イ・1号ロ・1号ハ興行ビザ1号
スポーツ等の興行活動2号興行ビザ2号
興行に係る活動以外の芸能活動3号興行ビザ3号

※「興行ビザ1号」「興行ビザ2号」「興行ビザ3号」という呼び方は、法令上の在留資格名ではなく、在留資格「興行」の上陸許可基準を分かりやすく区別するための一般的な呼称です。

興行ビザの審査では、申請する活動が在留資格「興行」に該当するか(在留資格該当性)が確認され、その上で、活動内容に応じた上陸許可基準(1号イ・ロ・ハ・2号・3号)への適合性が審査されます。

入管が重視する主な審査ポイント

興行ビザの審査では、申請する活動が在留資格「興行」に該当するか、また、活動内容に応じた上陸許可基準(1号イ・ロ・ハ、2号又は3号)を満たしているかが審査されます。

その際には、活動内容だけでなく、契約内容、申請人(出演者)の活動実績、受入機関の事業実態や運営体制、開催施設の状況などを総合的に確認し、提出された資料全体に矛盾がないかが判断されます。

そのため、契約書だけではなく、企画書、出演実績、施設資料、会社資料などを組み合わせ、申請内容を客観的に立証することが重要です。

審査項目主な確認内容主な立証資料(例)
活動内容在留資格「興行」に該当する活動か、上陸許可基準1号イ・ロ・ハ、2号、3号のいずれの区分に該当するか企画書、出演契約書、活動内容説明書、スケジュール等
契約内容活動内容、契約期間、出演場所、報酬、支払条件などが具体的かつ整合しているか出演契約書、報酬に関する資料等
申請人(出演者)の実績芸能・スポーツ活動の経歴、出演実績、競技実績、受賞歴などが活動内容と整合しているかプロフィール、公演・出演実績、競技実績、受賞歴、メディア掲載資料等
受入機関・運営体制興行を適正に実施する事業実態や運営体制が整っているか登記事項証明書、決算書、会社案内、事業概要、過去の開催実績等
施設開催施設が区分ごとの施設要件を満たしているか施設資料、平面図、座席表、消防関係書類、施設写真等

【興行ビザ1号】演劇・演芸・歌謡・舞踊・演奏等の公演を行う場合

興行ビザ1号は、演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏等の興行活動を行う場合に適用される上陸許可基準です。

劇場やコンサートホールで開催されるコンサート、ライブ、演劇、ミュージカル、ダンス公演など、観客を対象として演劇・演芸・歌謡・舞踊・演奏等を披露する活動が対象となります。

活動内容や開催場所等に応じて、1号イ・1号ロ・1号ハの3つの区分に分かれており、それぞれ確認事項や適用される要件が異なります。

基準1号イ

日本の公私の機関との契約に基づき、風営法第2条第1項第1号から第3号までの営業施設以外で行われる興行活動が対象です。

劇場、コンサートホール、市民会館などで開催される一般的な公演が代表例です。

基準1号ロ

国や地方公共団体が主催する公演や、学校で行われる公演のほか、一定の施設要件や報酬要件など、法令で定められた要件を満たす公演が対象です。

客席収容人数や施設の運営方法、出演者の報酬額など、該当する類型ごとの要件を客観的な資料で立証することが重要です。

基準1号ハ

1号イ及び1号ロのいずれにも該当しない興行活動が対象です。

ライブレストランなどで行われる公演が代表例で、施設や受入機関について法令で定められた要件を満たしていることを、図面や会社資料などにより立証する必要があります。

【興行ビザ2号】スポーツ等の興行活動

興行ビザ2号は、スポーツ等の興行活動を対象とする上陸許可基準です。

代表例として、プロスポーツ大会、サーカス、eスポーツ大会、観客を入れて開催されるファッションショーなどがあります。

日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けることなどが要件とされており、契約内容や報酬の妥当性、大会要項やイベントの実施体制などが審査されます。

【興行ビザ3号】興行に係る活動以外の芸能活動

興行ビザ3号は、観客を対象とした公演ではなく、制作・収録・宣伝等を目的とする芸能活動を対象とする上陸許可基準です。

例えば、映画・ドラマ・テレビ番組・CMの制作、商品やサービスの広告宣伝、商業用写真の撮影、商業用の録音・録画などが該当します。

企画書や制作スケジュール、出演契約書などにより、制作活動の実体や契約内容を客観的に立証することが重要です。

興行ビザ審査が厳しいと言われる主な理由

興行ビザは、「審査が厳しい」と言われることがあります。しかし、他の在留資格と比べて一律に許可されにくいという意味ではありません。

興行ビザは、活動内容に応じて上陸許可基準1号イ・ロ・ハ、2号又は3号のいずれに該当するかを判断し、それぞれの要件を満たしていることを客観的な資料により立証する必要があります。

また、入管では活動内容だけでなく、契約内容、申請人(出演者)の実績、受入機関の運営体制、開催施設などを総合的に確認し、提出資料全体の整合性を審査します。

そのため、いずれか一つでも説明や資料が不足している場合には、追加資料の提出を求められ、場合によっては不許可となることがあります。

ここでは、興行ビザの審査が厳しいと言われる主な理由について解説します。

活動内容に適した上陸許可基準を選択する必要がある

興行ビザは、活動内容によって上陸許可基準1号イ・ロ・ハ、2号又は3号のいずれに該当するかが異なります。

例えば、コンサートや演劇は1号、スポーツ大会は2号、映画やCMの撮影は3号が検討対象となります。

同じアーティストやタレントであっても、来日目的によって適用される区分が変わるため、活動内容を正確に整理した上で適切な区分を選択することが重要です。

契約内容や報酬を具体的に立証する必要がある

出演契約書は、興行ビザ申請において最も重要な資料の一つです。

活動内容、契約期間、出演場所、報酬、支払条件などについて、提出資料全体で矛盾がないことが求められます。

また、区分によっては報酬額が重要な審査事項となるため、契約内容が曖昧であったり、資料間で整合性が取れていない場合には、追加資料を求められることがあります。

申請人(出演者)の実績や活動内容との整合性が確認される

興行ビザでは、申請人(出演者)の活動実績も重要な審査事項となります。

芸能活動やスポーツ活動の経歴、出演実績、競技実績、受賞歴などが、今回の活動内容と整合しているかが確認されます。

活動内容を裏付ける実績が不足している場合や、プロフィールと契約内容に不整合がある場合には、追加資料の提出を求められたり、審査が長期化したり、場合によっては不許可となることがあります。

受入機関や開催施設についても審査される

興行ビザでは、申請人だけでなく、受入機関や開催施設についても確認されます。

受入機関の事業実態や運営体制、開催施設が区分ごとの施設要件を満たしているかなどについて、登記事項証明書、決算書、施設資料、図面などにより客観的に立証することが重要です。

区分によっては、施設の設備や受入体制などについて、より詳細な資料が求められる場合があります。

余裕を持ったスケジュールで準備する必要がある

海外から外国人を招聘する場合には、在留資格認定証明書(COE)の交付申請だけでなく、査証(ビザ)の取得や渡航準備など、多くの手続が必要になります。

また、審査の過程で追加資料の提出を求められることもあります。

イベントや公演の日程が決まったら、契約締結や必要書類の準備を早めに開始し、余裕を持ったスケジュールで申請を進めることが重要です。

まとめ

興行ビザは、活動内容に応じて1号イ・ロ・ハ、2号、3号に区分され、それぞれ確認される要件や必要資料が異なります。

「興行ビザの審査は厳しい」と言われることがありますが、重要なのは、活動内容に適した区分を選択し、契約内容、出演者の実績、受入機関、開催施設などについて、客観的な資料で整合性をもって立証することです。

海外アーティスト、K-POPアイドル、俳優、モデル、スポーツ選手などを招聘する場合には、契約締結や会場手配の段階から、興行ビザの要件を踏まえて準備を進めることをおすすめします。

当事務所では、申請取次行政書士が、興行ビザの区分判断、必要書類の整理、理由書作成、入管申請取次まで一貫してサポートいたします。
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