Q&A
永住ビザに関するよくある質問
永住ビザを取得するメリットは何ですか?
在留期間が無制限になり更新手続きが不要で、就労・活動内容に一切制限がなくなります。転職・副業・起業も原則自由です。住宅ローンや賃貸審査、在留カード更新の手間や費用の軽減、配偶者・子の在留安定に派生的なメリットが及ぶこともあります。再入国許可の取り扱い・納税や社会保険の義務は継続します。
永住許可は日本で何年滞在すれば申請できますか?
原則は連続10年以上在留し、そのうち就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)または居住資格をもって引き続き5年以上在留していることが必要です。非就労資格(留学、短期滞在など)の期間は原則算入されません。例外として、日本人/永住者の配偶者等・高度専門職などの短縮特例措置があります。
10年以上在留していますが、就労5年に満たしません。申請は難しいですか?
原則は厳格に運用されるため難易度が上がります。もっとも、居住資格(日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)での在留期間は「5年」に算入可能です。履歴の分解(在留資格の内訳)と算入可否の精査が第一歩です。
特定活動ビザは「就労資格」「居住資格」に含まれますか?
原則として特定活動は就労資格にも居住資格にも含まれません。ただし、個別指定の内容・在留実態による評価があり得るため、運用上の取扱いは事前確認が必要です。
例えば、特定活動の告示46号(本邦大学等卒業者)は就労資格に該当する「特定活動」となります。
短縮特例が使えず、10年要件や就労/居住5年が不足しています。打つ手はありますか?
不足を補う時間経過が最も確実です。同時に、納税・年金・社会保険の未納がないこと、安定収入の確保、素行善良の維持、理由書での生活基盤の安定性の可視化を進め、満了時に備えましょう。
在留期間10年未満でも「日本への貢献」と短縮が認められるのはどんなケースですか?
公益性の高い顕著な功績(国・自治体の表彰、国益に資する研究・発明、国際的受賞、社会的インパクトの大きい地域貢献・学術・教育分野の貢献等)が典型です。一般的な社会人としての就労や通常のボランティアは通常は該当しません。
住宅ローンの審査に有利になりますか?
金融機関ごとの判断ですが、在留期限がない安定性を評価する先は多く、選択肢が広がる傾向があります。永住許可=融資確約ではありませんが、プラスに働くことが一般的です。
永住ビザの基本要件は何ですか?
①素行善良要件(法律違反や前科がない等)②独立生計要件(継続安定収入・家計健全)③国益適合要件(納税・年金/社保加入・法令順守・公共負担にならない等、外国人永住が日本の国益に合致すると認められること)の3本柱です。在留期間と合わせて満たす必要があります。
年収や貯蓄はどの程度必要ですか?
明文基準はありませんが、世帯収支が黒字で、住民税・所得税の課税が適正に行われ、扶養人数に見合う水準が求められます。直近1~3年分の課税・納税証明、給与明細や確定申告で裏づけます。貯蓄は補強資料として有効です。
社会保険や年金の未加入・未納があるとどうなりますか?
大きな減点/不許可要因です。直近の加入・納付状況を是正し、追納できるものは追納する、会社側の手続き漏れは説明資料で補完する等の対策が必要です。
交通違反や軽微な罰金歴は影響しますか?
軽微・少数なら直ちに不許可とは限りませんが、交通違反を繰り返していたり、悪質だと素行善良要件で不利になります。状況に応じて経緯・反省・再発防止を記載した書面を要します。以後の無違反を積み上げましょう。
転職回数が多い/無職期間があります。永住許可申請できますか?
可能ですが、収入の継続性や家計の安定を立証する必要があります。無職期間の理由・期間・生活資金の出所(貯蓄、配偶者収入等)を明確に示します。
日本人の配偶者ですが、婚姻期間や同居実態はどのくらい必要ですか?
実体を伴った婚姻生活が 3年以上継続、かつ 日本で通算1年以上在留していることが必要となります。形式的婚姻と誤解されないよう、同居・家計一体の実態を資料で示します。
高度専門職の特例はどうなりますか?
高度専門職で70点以上=継続して3年以上日本に在留し、かつ申請時点および3年前の時点でともに70点以上を維持、80点以上=1年以上の在留で、申請時および1年前の時点で80点以上を維持で期間要件の短縮が検討できます。ポイント証明(学歴・年収・研究業績・資格等)を算定根拠付きで提出します。
家族(配偶者・子)は同時に永住申請できますか?
可能ですが、各自がそれぞれの要件を満たす必要があります。配偶者は婚姻・在留歴の特例、子は生計同一・監護実態等を確認します。世帯全体の納税・社保の適正性も見られます。
永住と帰化の違いは何ですか?
永住権と帰化はどちらも日本に住むための権利ですが、大きな違いがあります。
永住権は「在留資格」の一種で、日本国籍は取得せず、外国籍のまま日本に無期限で在留・就労ができる権利です。外国籍のまま日本で生活の基盤を築きたい場合に適しています。
帰化は「国籍を日本に変える」手続きであり、外国籍を放棄し日本国民としての権利義務を負うようになります。日本人として生活を送りたい場合に選択します。
項目 | 永住権 | 帰化 |
国籍 | 外国籍のまま | 日本国籍に変更 |
パスポート | 外国のパスポートを使用 | 日本のパスポートに切替 |
公民権(選挙権など) | なし | あり |
再入国許可 | 原則必要 | 不要(日本人扱い) |
必要書類は何が必要ですか?
申請人の方の在留資格や身分・地位によって異なります。
下記は出入国在留管理庁のHP掲載の提出書類一覧です。(2025年8月時点)
【就労資格】永住許可申請にかかる提出書類一覧表
【就労資格以外】永住許可申請にかかる提出書類一覧表
日本語以外の書類は翻訳文も必要です。
現在の在留資格によって追加書類が必要になることがあります。当事務所では、個人の状況を踏まえて、必要資料をリストアップしてご提示します。
理由書はどの程度重要ですか?
非常に重要です。期間・収入・家族・住居・納税/社保・素行を時系列+数値で整理し、リスク要因(転職・無職期間・違反歴 等)の再発防止策を明示します。証拠資料との照合可能性もポイントです。
申請先はどこになりますか?
お住まいの地域を管轄する地方出入国在留管理局に申請します。永住許可申請は窓口への持参が必要です。ただし、当事務所は申請取次行政書士として、本人に代わって提出が可能です。
オンライン申請はできますか?
現時点で永住許可申請はオンライン申請対象外のため、窓口で提出が必要になります。
申請から許可までの審査期間はどれくらいですか?
永住許可申請の審査には、実態として通常6か月〜1年以上かかります。ただし、これはあくまで目安であり、地域ごとの申請件数や入管の混雑状況によっても前後します。
特に東京出入国在留管理局の管轄地域では審査の長期化が顕著となっており、審査が1年6ヶ月程度と長期化している傾向にあります。
不許可になった場合はどうすればよいですか?
不許可理由の開示(口頭)を受け、是正可能な点(納付漏れ、資料不足、期間要件の不足 等)を解消して再申請の時期を設計します。むやみに即再申請するより、原因を解消してからの申請が有効です。
安心して前へ進むために
申請取次行政書士による在留資格申請サポート
当事務所は、申請取次行政書士として、依頼者様に代わり在留資格に関する各種申請書類の作成、入国管理局へ申請を代行することが可能です。
これは、ご自身での入管への出頭が不要となる利便性の高い制度であり、多忙な方や遠方在住の方でもスムーズに手続きを進めることができます。
申請取次行政書士とは、出入国在留管理庁に対して在留資格等の申請を「本人に代わって」行うことができる行政書士のことです。
法務省が定めた研修を受講し、所定の効果測定に合格したうえで、入管に届出を行った行政書士に限り、この取次資格が認められています。