目次
在留資格認定証明書交付申請から日本入国までの一般的な流れ
※就労・留学・家族帯同・身分系(日本人の配偶者等/永住者の配偶者等/定住者)・特定活動までを想定しています。短期滞在や外交・公用などのCOE不要ケースは文末の補足をご覧ください。
STEP
受入主体・身元保証人の確定と在留資格の選定
- 受入主体(企業・学校・配偶者/親族・団体など)を決め、活動内容に合致する在留資格(活動資格/居住資格/特定活動)を選定します。
- 想定する活動内容・在留期間・雇用形態から逆算して最も適合する類型を選びます。
STEP
要件と上陸許可基準の事前チェック
- 就労系:学歴または相当実務と職務の関連性、雇用契約の適法性、報酬(日本人同等以上)、社会保険加入、事業所の実在・継続性を確認します。
- 留学:入学許可、学費・生活費の支弁計画、在籍の実体を確認します。
- 家族帯同・身分系:婚姻・親子関係の実体、同居・扶養、生計維持の裏付けを整えます。
- 特定活動/特定技能:告示・指定書・分野要件・支援計画の適合を確認します。
STEP
スケジュール設計(COEの有効期間3か月を逆算)
- COEは有効期間が原則3か月です。査証申請→発給→入国までをこの期間内に収める前提で、書類作成・面接・採用日・学期開始日・家族帯同の予定を並べて逆算します。
- 入管申請から許可までの審査期間も余裕を持ってスケジューリングします。
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必要書類の準備(原本/写し/翻訳)
- 共通:在留資格認定証明書交付申請書(写真貼付・正確な記載)、パスポート写し、理由書。
- 受入側:雇用契約書/職務記述書(JD)/登記事項証明書/会社案内/決算書、または入学許可書・学校案内、支援計画 等。
- 本人側:学位・職歴・資格証明、婚姻・出生等の家族関係書類、資金計画。
- 外国語文書には日本語訳を付け、原本/写しの指定に従います。
在留資格の申請は、申請人が「法令要件に適合すること」を立証する責任を負います。出入国在留管理庁(入管)のホームページに記載されている提出書類一覧は必須資料になりますが、個々に置かれた状況によってケースバイケースのため、実際は補強資料として個々の状況にあわせた理由書の作成や、疎明資料を準備して申請するケースが多くあります。
STEP
地方出入国在留管理局(入管)へ申請(窓口・オンライン申請)
- 郵送による申請はできません。 窓口または在留申請オンラインシステムで申請します。
- 管轄は原則受入機関の所在地で決まり、所管の地方出入国在留管理局の窓口へ申請します。申請等取次として行政書士が代理提出することも可能です。
- オンライン利用時は事前に利用者登録を行います。
行政書士による書類作成・申請取次について
行政書士(申請等取次者)は依頼を受けて申請書類の作成や申請書の提出(取次)を行うことができ、この場合は本人の出頭が免除される制度(申請等取次)を利用できます。取次を行う行政書士は、所定の研修等を経て届出済証明書(いわゆるピンクカード)を取得し、入管へ届出している必要があります。
STEP
受理後の審査・追加照会への対応
- 入管で受理後の審査・追加照会への対応では、法務大臣の定める上陸許可基準に適合しているかが確認されます。標準目安は1〜3か月ですが、案件により前後します。
- 追加資料や事実確認の連絡が来たら、期限内に整合性の取れた資料で回答します。
STEP
在留資格認定証明書の交付(紙/電子)と内容確認
- 入管の審査で許可が出た場合に、在留資格認定証明書(COE)が交付されます。
- 交付は紙(窓口申請の場合)または電子交付(オンライン申請の場合)になります。
- 氏名(ローマ字)・生年月日・在留資格・在留期間・受入機関などに誤りがないか即時確認します。
- 有効期間3か月のカウントが始まります。
- 査証審査は外務省所管の在外公館で行われるため、COE交付=査証許可ではありません。次に査証(ビザ)の発給の手続きに進みます。
STEP
海外の申請人への原本送付/電子COEメールの転送
- 紙の原本の場合は、追跡可能な国際便(例:EMS/DHL 等)で送付します。封筒には申請人氏名・生年月日を明記し、パスポート原本は同封しません。発送後は追跡番号を連絡し、受領確認を取ります。
- 電子交付(電子COE)の場合は、入管庁から受け取った通知メールを改変せずにそのまま転送します(件名・本文・添付の原文性を保つのがポイントです)。転送時にCOE番号を併記し、迷惑メールフォルダに入っていないかの受信確認をお願いします。
- 提出方法は在外公館の案内に従ってください。多くの公館でメール提示または電子COEのプリント提出が求められますので、印刷した控えも併せて持参(提出)できるよう準備します。
- 有効期間は原則3か月です。査証申請→発給→入国までをこの期間内に完了できるよう、渡航日・予約枠を逆算して調整します。
家族帯同がある場合
- 家族(配偶者・子)ごとにCOEを個別取得し、紙は家族単位で発送、電子は家族それぞれへメール転送します。
- 在外公館の予約・提出は、家族分を同時または時差で手配します(婚姻証明・出生証明・翻訳など家族特有の添付を個別に準備します)。
- 全員分の有効期間を一括管理し、同時入国/後追い入国いずれのケースでも期限内に完了できるよう日程をそろえます。
STEP
在外公館での査証(ビザ)申請
- 申請人の居住国を所管する日本大使館・総領事館に原則として申請人本人が申請します(公館の運用により代理提出が認められる場合があります)。
- 必要書類:COE原本/電子番号、査証申請書、証明写真(規定サイズ)、有効なパスポート、領事手数料(費用) ほか。手数料は在外公館(領事館)ごとに異なるため、最新の外務省/公館の案内をご確認ください。
- 事前予約制や提出方法が公館ごとに異なるため、各公館の最新案内を確認します。通常、査証(ビザ)の発給には在外公館によって審査期間は異なり、数日〜2週間ほどかかります。ここでも不備がないよう、事前に準備・確認を万全に行うことが大切です。
STEP
査証発給後の渡航準備
- 渡航日を確定し、航空券・空港出迎え・住居の手配、就労受け入れの場合は初期オリエンテーション(就業規則・在留管理・健康保険等)を準備します。
- 受入側は初出勤日・入学日・オリエン日程を招へい状と一致させます。
STEP
入国(上陸審査)と在留カードの受領・初期手続
- 空港で上陸審査を受け、上陸許可後に空港の入国審査カウンターで在留資格が確認され、在留カードが交付されます。
- 14日以内に住民登録(住所届出)を行い、健康保険・年金・給与口座等の初期手続を進めます。
- 留学・家族滞在で就労する場合は、資格外活動許可(原則週28時間)を取得します。
- 在留カードが交付されるのは在留期間が3ヶ月を超える中長期在留者です。在留資格が「短期滞在」や、3ヶ月以下の在留期間が決定された場合は、在留カードは交付されません。
成田空港、羽田空港(東京国際空港)、関西国際空港、中部国際空港、新千歳空港、広島空港、福岡空港の計7空港を経由して日本に入国した場合
空港の入国審査カウンターで在留資格が確認され、「在留カード」が即日交付されます。
入国後は14日以内に市区町村役場で「住民登録」を行い、在留カードに記載された住所を届け出る必要があります。
在留カードが交付されない地方空港や船で入国した場合
在留カードが交付されない地方空港や船で入国した場合は、居住地の市区町村役場で住居地を届け出た後に、在留カードが後日、登録住所あてに郵送で交付されます。
補足
COEが不要となる主なケース
- 短期滞在(観光・商談・親族訪問 等):COEではなく短期ビザ(またはビザ免除)で入国します。
- 外交・公用:外務省所管のため、COEは対象外です。
- 国内での在留資格変更許可申請:すでに日本に在留している方は、COE不要で変更申請を行います(要件は別途審査されます)。