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「再入国許可」と「みなし再入国」の違いを比較表でわかりやすく解説

外国人が日本に在留している間に海外に一時的に出国することは珍しくありません。たとえば本国への一時帰国、海外出張、長期留学や駐在など、事情はさまざまです。
ただし注意が必要なのは、一度日本を離れるときに適切な手続きをしていなければ、帰国時に在留資格が失効してしまう可能性があるという点です。

そのために設けられている制度が「再入国許可」と「みなし再入国許可」です。名前が似ているため混同されがちですが、対象や有効期間、申請方法、費用などに大きな違いがあります。
この記事では両者の違いを比較表で整理し、ケースごとの選び方まで解説します。

目次

再入国許可とは?

再入国許可は、出入国在留管理庁であらかじめ許可を受けてから出国する制度です。長期間の海外滞在を予定している方や、帰国時期が未定の方にとって欠かせない手続きです。

  • 有効期間:最長5年(ただし在留資格の残存期間を超えることはできません)
  • 種類:シングル(1回限り)とマルチ(有効期間内なら何度でも出入国可能)
  • 費用:シングル 4,000円、マルチ7,000円(収入印紙代)
  • 申請場所:入管(地方出入国在留管理局や出張所)

留学や駐在など 1年以上の海外滞在 を予定している場合や、帰国予定が流動的な場合には必ず取得しておくべき制度です。

みなし再入国許可とは?

みなし再入国許可は、原則1年以内に日本へ戻る場合に限り、簡易的に利用できる制度です。出国時に空港で「みなし再入国出国記録票(再入国EDカード)」にチェックを入れるだけで利用できます(再入国許可申請は不要)。

  • 有効期間:原則1年以内(ただし在留期限まで)
  • 申請手続き:事前申請不要、出国時に意思表示するだけ
  • 費用:無料
  • 利用対象:短期滞在を除くすべての在留資格保持者(永住者含む)

出張や一時帰国、海外旅行など、短期の渡航であればみなし再入国許可で十分対応できます。

再入国許可とみなし再入国の違い【比較表】

ここまでの解説をまとめると、両者には次のような違いがあります。

項目再入国許可みなし再入国許可
申請場所入管(事前申請必要)空港で出国時に意思表示
有効期間最長5年(在留期限内)原則1年以内(在留期限内)
費用シングル4,000円/マルチ7,000円無料
利用条件すべての在留資格保持者短期滞在を除く在留資格保持者
家族帯同家族ごとに申請家族ごとにチェック
注意点長期海外滞在に必須1年以上の滞在予定なら不可

どちらを選ぶべき?ケース別解説

両者の違いが分かったら、実際のケースでどちらを使えばよいのかを考えましょう。

  • 1年未満の短期出張・旅行 → みなし再入国でOK
  • 1年以上の留学・駐在 → 再入国許可が必要
  • 帰国日が未定、延長の可能性がある → 念のため再入国許可を取得
  • 費用を節約したい、予定が確定している → みなし再入国で十分

ポイントは「滞在期間の長さ」と「帰国予定が確定しているかどうか」です。

よくある注意点

再入国許可やみなし再入国を利用する際には、次の点に注意してください。

  • 在留資格の有効期限を超えてしまうと無効
    → 永住者以外は特に注意。残存期間の確認は必須です。
  • パスポートと在留カードの有効期限も重要
    → どちらかが切れてしまうと、再入国できなくなるリスクがあります。
  • 永住者であっても失効する可能性がある
    → 永住者がみなし再入国で1年を超えて帰国しなかった場合、永住資格を失ってしまいます。

「永住だから安心」と思い込むのは危険で、適切な制度利用が必要です。

まとめ

  • 短期出国(1年以内) → みなし再入国
  • 長期出国(1年以上) → 再入国許可
  • 帰国予定が流動的 → 再入国許可が安心

両者の違いを理解しておけば、在留資格を失うリスクを回避できます。特に永住者や長期滞在予定の方は要注意です。

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